外出するにはマスクが必需品となった日常。
岩手県はいまだ新型コロナウイルスの感染者ゼロながら誰もが潜在的な脅威を感じています。
移り変わっていく環境
いつもよりも早く桜が咲き始めた4月の中頃。
久しぶりに響く球音。
学校グラウンドに球児たちの白球を追う姿が戻ってきました。
しかしその後の大型連休に実施された県立学校の一斉臨時休校にともない部活動も禁止に。
再び静寂がおとずれました。
ゴールデンウィークが明け、部活動が再開されて初めての週末。
通りかかったグラウンドにはユニフォーム姿の球児たち。
そしてそれを見守る保護者らしき姿。
「今度練習試合があるんだよ。いつ最後になるかわからないから絶対行く」
ふと、球児の親でもある知人の言葉を思い出しました。
きっと子どもたちのプレーを脳裏に焼き付けるように見つめていたことでしょう。
制限があるものの“高校野球”は少しずつ私たちの日常に戻りつつあります。
模索を続ける岩手高野連
日本高野連は5月20日に夏の甲子園の運営委員会を開き、開催可否を話し合うとみられています。
全国中学校体育大会やインターハイ、全日本大学野球選手権大会など、各種スポーツ大会の中止が続々と決まるなか、夏の甲子園も開催は厳しい状況となっています。
しかしインターハイの中止を決定した全国高体連は都道府県単位での大会開催を検討するように要請。
そして、それを追うように岩手高野連が全国選手権中止の場合でも県大会代替案を模索していることに言及。
「最後の花道を構築できれば」
岩手県高野連の大原理事長は“無観客”や“規模縮小”にも触れながら、
「計画を覆す準備をしていかないとという覚悟はもっている」
と力強く語っています。
また同高野連の南舘会長は宿泊を伴わないように地区予選から始める案など従来の開催方法に縛られない柔軟な考え方も示しています。
ちなみに夏の岩手大会の歴史を紐解いてみると、昭和63年に地区予選が撤廃されるまで現行とは異なる形式でした。
移動や宿泊で生じるリスクにPCR検査等による体調管理の徹底などクリアしなければならない課題は山積していますが、岩手高野連は固定概念に捉われず模索を続けています。
最後の舞台のために
限られた時間の高校生活。ここが節目となる選手が大半です。
ここまで家族で歩んできた日々のことを考えるとピリオドを打つ試合は必ず必要です。
そして、それは野球に限ったことではありません。
日頃の努力の成果を発揮できる場を整えるために私たち一人ひとりが感染拡大防止を続けることこそが重要です。
高校生たちに最後の舞台を!