岩手秋の陣を振り返って 東北大会は花巻東・専大北上・盛岡大附が県勢連覇を目指す 岩手 - 高校野球

第75回秋季東北地区高校野球岩手県大会は、花巻東が専大北上に13対3で勝利し、2年連続11回目の優勝を飾りました。3位決定戦では盛岡大附が粘る一関ニを8対6で振り切って勝ちを収めました。

県勢2年連続優勝が懸かる東北大会は第1代表として花巻東が7年連続22回目、第2代表が専大北上で4年ぶり11回目、第3代表が盛岡大附で5年連続22回目の出場となります。

熱戦に沸いた秋

24試合の熱戦が繰り広げられた県大会を振り返ると、13試合が3点差以内の接戦で、連日白熱の攻防がスタンドを沸かせました。

盛岡誠桜は地区予選でノーヒットノーランを達成した高橋脩投手の活躍などで大会初勝利を飾ると2回戦も勝ってベスト8入り。宮古商工も釜石との同地区対決となった初戦を制して統合後初の白星を校史に刻みました。

好投手たちの活躍も光りました。前チームでも強豪校相手に奮戦してきた盛岡四の櫻田絢投手は大会3位に入った盛岡大附との試合でも怯まず2失点に抑えるナイスピッチング。花巻南の左腕エースの佐々木清尊投手は準優勝した専大北上との延長11回の激闘を投げきり1失点の好投をみせました。

そして最も大会を盛り上げたのが一関ニの快進撃。選手14人とマネージャー3人で11年ぶりとなる地区王座を掴んだチームは県大会でも躍動。変化球や投球フォームで打者のタイミングをずらしながら凡打の山を築いたアンダースローのエース三浦大人投手を中心に粘り強く守り、攻撃では小岩倫太郎捕手の猛打が爆発!打線も勝負強いバッティングと巧みな足攻で非常に果敢。見事63年ぶりのベスト4入りを飾りました。この春から率いているのは小山智之監督。これまで部員不足に悩むチームを歴任してきた指揮官でチーム作りには定評がある名将です。ここから一冬越えてどんな春をむかえるのか楽しみ。

東北大会に挑む花巻東・専大北上・盛岡大附

その中で群を抜いていたのが秋連覇を飾った花巻東。前チームを彷彿とさせる打力と豊富な投手陣は際立っていました。打の中心はやはり佐々木麟太郎選手。準決勝と決勝では合わせた3本のアーチをかけ10打点。打率は驚異の7割3分3厘をマーク。チームも引っ張られるように計39得点を挙げました。多彩な投手陣ではエースナンバーを背負う北條慎治投手は登板なし。最速142キロを誇る阿部颯太投手ら6人の投手がマウンドに上がり全試合継投で勝ち上がりました。秋の東北連覇に期待がかかります。

準優勝の専大北上は地区予選では敗者復活戦から県大会進出を決めたチーム。夏の5大会連続初戦敗退から「岩手で1番弱いチーム」と言い聞かせながら練習に取り組んできたそう。18年ぶりに決勝進出を果たした原動力は杉山優風投手と板垣翼投手の2枚看板。ともに135キロを超えるストレートとキレのある変化球を操る注目投手です。4年ぶりとなる東北大会での躍動も楽しみです。

3位の盛岡大附は代名詞の強打ではなくヒットエンドランや隙を見逃さない積極的な走塁で得点を重ねる機動力野球とタイプの異なる投手による継投が武器。県大会では4試合を戦い全て2点差以内の接戦で、優勝した花巻東との試合では敗れはしたものの1点差。実力伯仲の好ゲームを演じました。エース橋本旺大郎投手は最速144キロのストレートと緩急が武器の好投手。東北大会上位進出の鍵を握ります。

第75回秋季東北地区高校野球大会

来春センバツの出場校選考の重要な参考資料となる東北大会。その出場校の顔ぶれをみるとやはり強豪校揃い。

白河越えを果たした仙台育英は宮城2位で出場。甲子園でも登板した最速147キロ左腕の仁田陽翔投手(大船渡・第一中出身)も活躍が期待されます。その王者に勝利した東北にはハッブス大起投手と秋本羚冴投手の2枚看板で頂点を狙います。また甲子園4強の聖光学院も県1位で東北大会へ。そして開催県の山形から第1代表で出場するのは山形中央。エースの武田陸玖は3本塁打の打棒も注目です。

組み合わせ抽選会は9月30日に行われる予定。大会は山形県で10月10日に開幕します!

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