ついに106回目の熱い夏が始まります。今春東北王座に輝いた花巻東を軸に、春県準優勝の盛岡大附や昨秋県覇者の一関学院、盛岡中央や専大北上、さらに30年ぶりとなる公立勢頂点を狙う大船渡や久慈など力のあるチームがずらり。63校55チームの頂点に立つのはどのチームか。楽しみは尽きません。
花巻東が夏連覇に挑む
2年連続12度目となる夏の甲子園出場を目指す花巻東が入ったブロック。大会の軸となる第1シードの花巻東は、甲子園での登板経験もある葛西投手や2年生ながら試合を作る投球術に長けた金野快投手らを筆頭に投手力に厚み。さらに隙を逃さない機動力でそつなく1点をもぎ取る勝負強さもあり、攻守に頭ひとつ抜けた存在です。初戦は開幕戦の盛岡四対花巻農の勝者と戦います。同じブロックには今年度開校し岩手大会初出場となる北桜が入り、釜石商工との夏初陣へ。そして不来方・紫波総合の連合チームと盛岡農は春に続いての再戦に臨みます。
シード校の高田のブロックは実力校揃い。8年ぶりに夏のシード権を掴んで臨む高田は多彩な投手陣と繋がりのある打線で勝利を引き寄せて1988年以来となる聖地を目指します。また攻守に力のある選手が揃う秋県3位の盛岡中央は投打ともに注目の高下選手擁する西和賀と対戦。技巧派左腕・室岡投手がいる秋県ベスト4の水沢工も春の悔しさを糧に夏に懸けます。
水沢商は春の快進撃再現なるか
春は学校初のベスト4入りを果たした水沢商のブロック。とても元気よくプレーする水沢商では冬に父母会から一人一本竹バットが贈られたとのこと。しっかり振り込んで鍛えられた打線は得点力が高く、劣勢でも前を向くメンタルは最大の魅力。胆江初の聖地を目指すチームの初戦は盛岡工対黒沢尻工の勝者と戦います。また同じブロックには葛巻・伊保内連合、大野と久慈工による北三陸連合の2つの連合チームも名を連ねます。
シード校の一関学院のブロック。2年ぶりの王座奪還を目指す一関学院は、春の公式戦で143キロもマークした本格派右腕の小山投手や大型右腕の髙澤投手ら層の厚い投手陣に加え、強打者の山内選手を中心とした打線にも力があり、攻守に戦力は充実。また大会屈指の右腕・藤枝投手と安定感のある左腕・藤原投手の二枚看板擁する盛岡三も前回大会準優勝に終った悔しさを糧に頂点を目指します。
盛岡大附が王座奪還に臨む
3年ぶりとなる聖地切符を狙う第2シードの盛岡大附のブロック。春の県大会準優勝で東北大会4強の盛岡大附は新基準バットが導入されても代名詞の強打は変わらず。東北大会で猛打を見せつけた森谷選手や頼りになるリードオフマン櫻庭選手を中心に高い攻撃力を誇ります。同じ山からは、強打者の髙橋選手を擁して昨年夏4強に続き秋も8強入りした盛岡商、タイプの異なる投手陣とそれをリードする好捕手・箱石選手がいる宮古も久し振りの甲子園出場を目指します。
もう一校のシード校にはもはやダークホースでも台風の目でもない実力校の盛岡誠桜。サイドを中心にオーバーとアンダーでも投げる変幻自在なエースの山口投手を擁して頂点を狙います。その初戦は試合巧者の一関二と手堅く勝負強い花巻北がぶつかる初戦屈指の好カードの勝者と。大会序盤から目が離せません。
大船渡は激戦ブロックから頂点狙う
第3シード校の大船渡のブロックも激戦区。春の県大会では公立校最上位の3位となって夏をむかえる大船渡は主戦の2年生ピッチャー・熊谷航投手を中心に投手陣は多彩。好投を支える内野陣の守備力も高く、打線は主砲の佐々木選手を軸に繋がりがあり、攻守で底力のあるチーム。初戦は盛岡南対水沢の勝者とぶつかります。また同じ山には大東。1年生の時から夏の舞台を経験している選手も多く、鍛えられた打撃力には自信。大黒柱には今夏注目の好投手・エース千葉快投手を擁する注目校のひとつです。そして試合巧者の盛岡一や水沢も力があり一丸で優勝を狙います。
シード校の専大北上のブロック。2年連続でシード権を掴んだ専大北上を投打で牽引するのは髙橋選手(U-12日本代表の4番)。春の県大会では3試合で計19得点を挙げた切れ目のない打線を武器に18年ぶり優勝を目指します。同じ山には昨秋県準優勝の久慈。中学時代から全国経験を積んだ実力選手たちが多く、攻守でレベルの高い試合を展開します。またセンターラインを中心に力のある選手が揃う選手17人の花泉、近年上位常連で運動能力が高い花巻南も名を連ねます。