日本学生野球協会は3月5日、審査室会議を開き、高校19件を含む不祥事案の処分を決定した。
そのうち花北青雲の監督は部内での暴言と交流サイト(SNS)の不適切利用により、1月29日から4月28日まで3カ月の謹慎となった。
憲章違反の疑いのある事象の調査と報告をしなかったとして日本高野連から処分を上申されている盛岡誠桜の指導者については、日本高野連と岩手高野連、盛岡誠桜から提出された膨大な資料の精査のため継続審議となった。
これまでの経緯
盛岡誠桜の憲章違反の疑いがある事象の経緯は、昨年8月、岩手県高野連に盛岡誠桜野球部で憲章違反が疑われる事象の情報提供があり、同校に調査と報告を求めたが拒否。岩手県高野連は今年1月、この対応を憲章違反として日本高野連へ報告した。対象は複数の3年生部員による引退後の飲酒・喫煙、1年生部員に対する監督の暴言、副部長が授業中に生徒に暴言を浴びせた、との3件。
日本高野連は1月24日に審議小委員会を開催。憲章違反として厳重注意と2月7日を期限とする調査と報告を求める指導を決定。しかし同校は従わず、2月16日に全体審議委員会で諮られ、改めて2月26日を期限とする調査と報告を求める指導を決定していたが学校側から提出されることはなかった。
日本高野連は3月1日、「報告が上がってこないことが違反行為になる」という考えを示し、日本学生野球協会の審査室へ処分を上申する措置をとっていた。
なお、盛岡誠桜は3年生部員が8月15日に居酒屋で飲酒したことを同月28日に認識。その後7月31日まで遡った日にちで部員登録抹消手続きを行ったものの、本来抹消での遡及は認められておらず、この手続きも受理されなかった。
盛岡誠桜は公開討論会を開催予定
一方、盛岡誠桜は3月2日、公開討論会を3月12日午後に開催すると発表。野球部部長に就任した附田政登校長や石橋智監督らが出席する予定だが、参加を申し入れていた日本高野連や岩手高野連は同席しないことを既に明らかにしている。会では生徒や父母、報道関係者の質問を受けるとされている。なお、議題は下記の通りとされている。
①今回の処分を巡って、誠桜高校の教育理念と高野連の野球憲章との見解について
②「硬式野球部への厳重注意」とは何を指すのか、誰のことか
③高野連と高体連の規約の違い
・不祥事に対しての生徒の出場停止問題
・転校生の扱いについて
・退部や引退の扱いについて
④アンケートの強要について。教育権はどこにあるか?
⑤その他
なお、盛岡誠桜は調査報告について「1月13日の期限内にきちんと提出しています。高野連が求めた内容でないからとして、提出がないということは明らかに不当です」と主張している。一方で高野連審議委員長の尾上良宏理事は「題は報告書とあるが、不祥事件の報告書といわれる様式、内容とはかけ離れているもので当連盟としては報告書ではないと認識している」と報告を認めなかった理由を明かしている。
今後は来月9日の審査室、またはその前に緊急審査室が開かれる可能性もあるとのこと。謹慎、対外試合禁止、学生野球資格の喪失などが科される可能性もある。