第104回全国高校野球選手権大会はついに決勝。宮城の仙台育英と山口の下関学院が大一番で激突しました。
仙台育英も下関国際も勝てば初優勝。そして仙台育英は東北勢悲願の白河の関越え、一方の下関国際は県勢64年ぶりの頂点が懸かる戦い。高校野球ファンの間では両校の対戦を154年前の戊辰戦争になぞらえたり、仙台育英がコインランドリーで交わしたノート越しのやり取りが話題になるなど、大きな盛り上がりをみせるなかで決勝をむかえました。
試合は仙台育英が4回裏、4番齋藤陽選手のタイムリーで先制すると、5回裏には連続タイムリーで2点を追加。その後6回表に1点を返されるも、7回裏に1点を追加するとさらに満塁の場面で、病を乗り越えて聖地に立つ不屈の打者・岩崎生弥選手が試合を決定づけるグランドスラム!
8回表の守りからサードに盛岡東シニア出身の洞口優人選手(釜石東中)が登場。最後の打者の打球も華麗にさばきゲームセット!仙台育英が8対1で下関国際に勝利!春夏通算4度目の決勝で見事初優勝を飾りました!
栄冠は東北に輝く!東北6県にとっては春夏通算13度目の挑戦でついに深紅の大優勝旗が白河の関を越えました!
優勝インタビューを受ける仙台育英・須江航監督の第一声「宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます!」から。
そして3年生にどんな言葉をかけたいかを問われ、次のとおり、須江監督らしい熱い言葉を残しました。
「入学どころか、たぶんおそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて。高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春って、すごく密なので。でもそういうことは全部ダメだ、ダメだと言われて。活動してても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。でも本当にあきらめないでやってくれたこと、でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。
例えば、今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも、あきらめないで暗い中でも走っていけたので。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。」