
第108回目をむかえる全国高校野球選手権岩手大会。第1シードで臨むのは昨夏から4季連続県制覇と前人未到の4連覇がかかる花巻東。第2シードは5年ぶりの王座奪還を狙う盛岡大附。そして第3シードはこの春創部以来の最高位となる県3位となった盛岡誠桜。第4シードには春季大会で公立勢唯一4強入りした大船渡が入ります。

花巻東のブロック
花巻東はこれまで4季連続で甲子園に出場しており、昨秋は神宮大会ベスト4。大舞台を経験しているメンバーも多く、投打ともに頭一つ抜けている存在です。春季大会では主力選手たちの戦線離脱が相次いだものの新戦力が台頭しチーム力は底上げ。大会前には古城大翔主将や赤間史弥選手をはじめ、離脱していた選手たちも復帰し投打の役者が揃います。優勝すれば5季連続の甲子園。新チームとなって県内無敗の王者が頂点へ突き進みます。
もう1校のシード校は、春季大会で4年ぶりに8強入りした古豪・福岡。エース斉藤聖也投手をはじめ経験豊富な選手が多く、チームは逆境での強さも併せ持っています。春季県大会の大船渡戦では、土壇場9回に4点差を一気に逆転した場面も。秋春連続で競り負けてしまった経験も糧として、強い気持ちで夏に挑みます。
春の県大会に出場したチーム同士の対戦となる盛岡商対一関工も注目。一関工のエース佐藤晴人投手は県大会で2試合を投げて自責点0。盛岡商は今春挙げた3勝いずれも7得点以上。打線はビックイニングを作る力があります。
そしてノーシードから挑む昨夏4強の久慈は打力に力。春季大会の地区予選と県大会を合わせてチーム打率が全チームトップの.381。巧打者の野竹大葵選手は19打数10安打でハイアベレージをマークしました。また1年生ながら強打者として期待の南川結雅選手も春に続いてベンチ入りしています。
連合チームでは伊保内・葛巻・平舘連合の戦いも楽しみ。昨夏は平舘戦で1試合16奪三振を記録した伊保内の日向瑠投手。今夏はその平舘とともに伊保内・葛巻・平舘連合として出場します。まさに昨日の敵は今日の友。初戦で公立の実力校・花巻南と戦います。
盛岡大附のブロック
「失地回復」をスローガンに掲げる盛岡大附。今春は地区予選から県大会決勝まで計8試合を戦い、1点差ゲームがなんと4試合もありました。公式戦で厳しい試合展開を多く経験できたのは大きな強みに。そしてチームをけん引するのはU-15台湾代表にも選出された経験を持つ許定捷選手。走攻守三拍子そろった全力プレーでチームを支えます。2年連続決勝で敗れた悔しさを胸に、5年ぶりの王座奪還を狙います。
シード校・高田も戦力が整っています。春季大会ではケガでエース小松紘介投手を欠いたものの、2年生の生形礼央投手をはじめ4人のピッチャーでマウンドを守りました。野手陣も三遊間を守る1年生コンビに負けじと上級生たちも堂々とプレー。甲子園に“1イニングの貸し”がある高田。チーム一丸となり1988年以来の聖地を目指します。
盛岡中央対盛岡三の同地区対決も組まれています。昨秋を振り返ると、盛岡中央は県3位で東北大会に出場し、一方の盛岡三も同地区の強豪・盛岡大附に勝利して力があることを証明。まさに1回戦屈指の好カード。ともにショートを守る盛岡中央・釜崎大翔選手と盛岡三・浦田宗佑選手はともに大会注目の実力選手です。勝ったチームは第2シード・盛岡大附との対戦が待っています。
さらに投手2枚看板を中心に戦う盛岡四、投打それぞれで好選手を擁する水沢も同じブロックに。県内史上最多となる6校(大船渡東、山田、住田、江南義塾盛岡、遠野緑峰、大東)による連合チーム“六校連合”はその水沢と初戦でぶつかります。
盛岡誠桜のブロック
第3シードは創部10年の節目をむかえた盛岡誠桜です。注目はエースの高橋翼投手。アンダースロー気味のフォームから変化球をコーナーに投げ分ける変則技巧派。春の公式戦は全試合に登板。県大会では全ての試合で先発マウンドに上がり、防御率1.26でチームに大きく貢献しました。打線は走力がある選手が多く、確実にバントを決めてくるところも印象的。「1にこだわれ」がチームテーマ。一投一打から目が離せない盛岡誠桜が悲願の初優勝を目指します。
シード校・一関一も強さが光ります。なかでも投手陣は充実。エース寺尾颯汰投手を中心に、春の大会で2完封を記録した菅原遼投手、昨秋県4強入りの原動力となった中山遼投手ら駒が揃っています。今春の地区予選と県大会の成績を振り返ると、全チームの中で防御率が0点台なのは一関一と一関学院だけ。鍛え上げられた投手力で80年ぶりとなる夏の甲子園を目指します。
力のある伝統校も数多く。花巻北は春季大会で一関学院と接戦を繰り広げた打力のあるチーム。宮古は選手15人ながら速球が武器の2年生エース畠山壮平投手を擁しており、昨秋6年ぶりに県大会に戻った遠野は俊足巧打の菅田好誠選手が攻守でチームを牽引します。
そして今春創部した盛岡白百合は初めての夏へ。全員1年生ながら公式戦初勝利をかけた戦いに臨みます。
大船渡のブロック
春季大会で公立校唯一の4強入りを果たした大船渡が第4シードから夏の頂点を目指します。チームは総合力が高く、個性あふれる選手たちが一丸となって戦います。大黒柱は投打でチームを引っ張る山田旺輝選手。投げては最速135キロのストレートにツーシームやチェンジアップを織り交ぜて次々と打者を打ち取り、打線では中軸で勝負強い打撃をみせます。さらに好左腕、俊足や強打のチームメイトも揃う大船渡。いざ41年ぶりの夏の甲子園へ。気仙から熱い挑戦が始まります。
4年ぶりの夏王座を目指すシード校・一関学院も同じブロック。春季大会の地区予選と県大会では全チーム中でNo.1の0.69。優勝した花巻東とぶつかった準々決勝では敗れたものの1対2の接戦を繰り広げました。チーム打率も3割超で盗塁は5試合で15個をマーク。そして何よりも打線には爆発力があります。
専大北上の投手陣もレベルが高く活躍に期待がかかります。その投手陣をリードする強肩強打の吉田直貴捕手も注目です。初戦は今春から菊池暁監督(釜石OB)が率いる釜石と対戦。勝ったチームは一関学院と戦います。
さらに夏に強さ増す盛岡一も注目。春季大会では3位となった盛岡誠桜を相手に接戦を繰り広げており、その実力は折り紙付き。また、昨秋は一関学院に勝利し、花巻東も苦しめた水沢工もノーシードから大会に挑みます。
ここでは挙げきれないほど楽しみなチームばかり。開会式は7月8日。そして9日から熱戦が始まります。がんばれ岩手の高校球児たち!