岩手の静かな春ー。
いつもなら桜咲く球場が賑わう頃。
「第72回県高総体硬式野球競技 兼 第67回春季東北地区高校野球岩手県大会を地区予選から中止する」
岩手に球春到来を告げる春季大会は行われないこととなりました。
岩手の春季高校野球史上2回目の中止へ
3月の県高野連臨時理事会では
地区予選についてこれまで行われてきた敗者復活戦は行わず全試合無観客で実施する方向に。
さらに県大会は地区予選出場チームが64に減る見込から地区代表校を32から30とし
会場も変更した上、予選と同じく無観客での開催で調整していました。
その後、新型コロナウイルスの感染防止のため
様々なイベントが中止となるなか
春季東北大会や県高校総体も中止に。
4月15日のキャラホール、岩手県高野連の常任理事会。
“高体連の方針を軽んじる訳にはいかない”と悩んだ末に決断しました。
「新型コロナウイルスの感染収束の見通しが立たず選手や関係者の安全や健康を保障できない」
夏のシード権が懸かる、いわば前哨戦となる春季大会の中止が固まりました。
4月17日の評議員会で正式決定されれば
まだ大会名が“高校総体”という冠だけだった昭和25年以来2度目の中止となります
「このまま卒業させたくはない」
岩手県高野連・大原茂樹理事長の言葉には悔しさが溢れていました。
「開催してあげられるんじゃないかと思いながら可能性を探り続けました。でもその場を与えてあげられない春になったことに対して非常に悔しい」
割り切れない思いにその決断の難しさを感じました。
2011年3月11日の東日本大震災から数か月後ー
グラウンドには球児たちの元気な声が響いていました。
その奇跡のような光景にどれだけの人が元気づけられたことでしょう。
仲間たちとプレーする時間はまだ残されています。
みんなの想いは夏へ。